「縄とピアス」
第一章…拘束奴隷
恵留はこの部屋に捕らわれて七日目の朝を迎えた。
家具輸入商の父親か出張先で消息不明となり取引先の裸津井に呼び出された。
「親の負債はお前の躰で返して貰おう」
加虐趣味の裸津井は地下室に恵留を幽閉し陰惨な性調教を強いた。
今朝も巧みな縄さばきで恵留を胡座縛りにし、重ねた足首を海老縛りに引き絞る。
「ううっ、苦しい」思わず声をあげると
「奴隷の分際で文句を吐くな」と、ハーネス式開口ギャグを装着され、裸津井の肉塊が差し込まれた。
「ご主人様にご奉仕だ、しゃぶれ」
縛りの苦しさから舌奉仕が出来ずにいると髪を掴まれ「しゃぶれない罰だ」と喉に生暖かい尿が放なたれた。
「がふっ、うぐぅ」顔をそむけることもできず裸津井の汚水を飲み込むしかなかった。
放尿が終わると開口ギャグに栓をはめ、うつ伏せにされ丸見えのアヌスに浣腸器が差し込まれた。
「アナルをを味わう前にたっぷり吐き出させてやる」
裸津井の肛虐責めは執拗だった。
思いを遂げると媚薬を塗り込めた肛門拡張棒を恵留のアヌスにねじ込み革ベルトの貞操帯で締め上げた。
「むくう、はあぁぁ」裸津井が部屋を出た後は放置プレイに耐えるのだった。
第二章…熟女の愛撫
尻の疼きもピークに来た頃、裸津井の内縁の妻、千尋が入って来た。
「食事よ。あら、今日は胡座縛りね、苦しいでしょう。」と、猿轡を外し自分が咀嚼した食べ物を恵留の口に運んだ。
「私の唾の味美味しい?」レズで女をいたぶる性癖の千尋は恵留の秘部に指を這わせた。
「うふふっ、可愛い蕾だこと、こうされるのが好きなのよね」女の弱点を知り尽くす千尋の愛撫で愛液が滲み出すと恵留の唇に唇を重ねてきた。
成熟した女の甘い唾液の芳香が鼻を刺激し、言いようのない陶酔がこみあげるのだった。
「こんなに濡れて、欲しいのね?」「…はい…お姉様」
千尋は黒光りする双方向ディルドがついたベニパンを取り出し「あふぅ~」と声を漏らして自分の秘部に挿入しベルトで腰に固定した。
「愛してあ・げ・る」熟女の体に男性器を生やした魔女は生贄に迫ってゆくのだった。
第三章…人身売買
夕刻、裸津井が戻ってきた。
「出かけるぞ、おめぇの借金を返せるかも知れねえぜ」
目を見開いた恵留に
「驚くこたぁねえ、お前の躰で返してもらうんだからな、ふふふ」
裸津井は胡座縛りの縄を解くと新しいボンデージ衣装を履かせていった。
黒革のコルセットを締め上げ網タイツにガーターベルト、鍵付きのピンヒールに嵩の高い首輪、秘部は赤いレースのバタフライショーツだ。
両手首は革手枷を嵌められポンチョとロングスカートで隠された。
「気に入られるようにお化粧しましょう」
千尋に開口ギャグを解かれた恵留は叫んだ
「どういうことです?躰で払うって…」
「娼婦として売りとばすのさ。女を縛り上げて喜ぶ変態の相手をしてもらう、諦めて大人しくしてろ」
泣く泣く化粧を施された後、ボールギャグが咬まされ口元が見えないようにマスクをかけられ、
裏口から二人に挟まれて会場まで歩かされた。
繁華街のため数人の人とすれ違うが恵留の境遇に気づく者はいなかった。
第四章…奴隷競市
雑居ビルの一室、ここは会員制SM倶楽部だが裏の顔は広域暴力団の伊織組が仕切る性奴隷の人身売買の場だった。
「裸津井さん、今日は上玉らしいですね」
「ああ、縄師の雅さん、こいつはいいとこのお嬢だが俺が縄の味を教えてあるから高値で頼むぜ」
ホールの中央ステージにはすでに二人の女がいた。
ひとりは長襦袢に荒縄で亀甲縛りにされ豆絞りの噛ませ猿轡、いま一人は革の拘束具で口元にはベニスギャグをくわえていた。
恵留も上着を剥ぎ取られ鎖に繋がれた。
「さあ、顔を見せな」
取られたマスクの内側にはギャグをくわえた口紅の跡が丸く残り、垂らした唾液で濡れていた。
一時間後に10人程の客が揃い、進行役の雅が三人のアピールを読み上げた。
豆絞りの女はヤクザの情夫に売られ、ベニスギャグの女はSM風俗で店の売上金を持ち逃げして捕ったとの事だった。
「では、奴隷たちを品定めして頂きましょう」
客たちは目当ての女に群がった。好色そうな老人が恵留に近づき
「ひひひ、儂は女の蜜液をすするのが何より楽しみなのじゃよ」と、
ショーツをめくり肉襞を舐めまわし始めた。「むむぅ…うくく」猿轡に封じられた口から喘ぎ声がこぼれた。
「乳首を責めていいか?」
別の男が恵留の乳首に釣り糸を巻きつけクィッと引き上げた。
「ふぐぅ!」痛みに声を漏らす
「俺が競り落としたらここにピアスを通して引き回してやるからな」と微笑むのだった。
第五章…無言の旅立ち
なぶられ続け放心状態の奴隷たちは運命の時を迎えた。
競り落とした相手次第で自分の人生が決められてしまうのだ。
豆絞りの女は天海という老人が落札した、恵留の秘部を舐め回した客だった。
二番目の女は鞭傷や秘部の痛みがあり買い手がつかなかった。
いよいよ恵留の番だ、六人の客が競り、品定めの際 乳首をいたぶった男が二千万円で落札した。
伊織組系列紅刀組の若頭でアジアンマフィアと繋がる男だ。
「裸津井さん、いい買い物をしたぜ、今夜の内に送り出すから控えで待ってろ」
わきから千尋が
「送るってまさか…」
「そう、アジアの売春宿に売るのさ。異国のマゾ女は高値だからな」
自分の運命を悟った恵留は猿轡の奥から「ウッ、アゥゥ~」と悲痛な叫びを漏らし大粒の涙が頬をつたった。
暫くして紅刀組の若衆が箪笥を運び入れた。
二重底に細工され奴隷を縛る金具が付いており恵留は開脚M字で縛られ、小刻みに震える胸が全頭マスクに封じられた嗚咽を伝えていた。
「お前の親父はこの細工に気付いたので始末されたのさ。今度は娘のお前が縛られ売られるとはな、可哀想だがこれも運命だと諦めるんだぜ」
裸津井の言葉を最後に蓋が閉じられ、密輸船へと運ばれて行った。
終章…異国の果てに
此処は南アジアの歓楽街、いかがわしいネオンが煌めく中にその店はあった。
客を迎えるロビーに娼婦達は鎖に繋がれ晒されており、その中に恵留はいた。
乳首とラヴィアにピアスを施され無毛の恥丘には蛇の入れ墨が彫り込まれ、二度と元の世界に戻れぬ躰にされていた。
客待ちの間も嵌められた猿轡からは涎が滴り落ち、故郷を思う涙と共に床を濡らしていた。
「指名だ」
現地語で呼ばれた恵留は後ろ手枷のまま乳首のピアスに手綱を通され、今日も客の元へ引かれていくのだった……完
あとがき…題名は直木賞の「蛇とピアス」をもじりました。
物語の始まりである父親の失踪とラストの奴隷密輸手段のつながり、わかって頂けましたか?